2015年7月3日金曜日

共産党関係団体「9条の会・津」より提出された請願の反対討論

先の定例会において、9条の会という名の共産党と密接な関係のある組織から、津市議会に対し請願書が提出されました。この請願書は全国各地で組織的且つ政治戦略的に提出されているようであり、三重県議会および県内各市町にも同様に提出されました。

知り合いのいる複数の市町から、それぞれの議会に提出されている請願書を入手し、比べてみましたが、見事にカーボンコピー状態で、内容は殆ど一緒です。

この9条の会は、市民団体を装い全国各地に設立されている、共産党の地方での政治活動を担う組織である事は明確なのですが、地方自治法に則って提出された以上、内容を精査して対応せねばなりませんので、誤りを指摘するため反対討論に立ち、津市議会では無事否決いたしました。

討論の内容をテキストダウンしましたので、請願本分の引用と照らし合わせてお読み頂ければ幸いです。
なお、
各議員のそれぞれの討論部分への動画リンクおよび表決へのリンク
および
他市町および県に出された請願のPDFへのリンクを
下に貼っておきます。

*******************以下討論の内容*********************
小林貴虎:反対討論(10分の討論です)

昨今地方分権が語られて久しいですが、決して地方が担う事のできない、国がになわねばならない責任があります。それが国防、国民の命と財産を守る責任です。 

本来この請願が求めている内容は国で審議されるべきものであり、地方議会がとやかく口を出す事ではないと思いますが、 
地方自治法に則って請願が提出され、紹介議員が印鑑を押した以上は評決せねばなりませんので、 
請願文の中の幾つかの誤りを指摘し、同請願書に反対の意見を述べるものとします。 
請願内容:「国際平和支援法案」「平和安全法制整備法案」に対する徹底した慎重審議と今国会での採決に反対することを求める請願
この請願の目的の一つである 
慎重審議に関しては、 
すでに報道されているように過去最高の95日間の会期延長を、自民公明の両党の話し合いで決め、22日夜衆議院本会議にて議決されており、すでに達成されております。 

安倍総理大臣は「『平和安全法制』の議論を丁寧に行うべきだという声に耳を傾け、9月27日まで会期を延長したい。通常国会としては戦後最長の会期となるが、審議時間を十分取ってしっかり議論するという意思を国民に示し理解を得ていきたい。 

と発言し、 

山口代表は「十分な審議時間を確保し、国民の理解を得て、今の国会で法案の成立を図るためにしっかり協力していきたい」 

と発言しています。 
しかも、「平和安全法制整備法案」は、個別的自衛権・集団的自衛権・PKO活動など10法案の改正に関わる法案を一括にまとめたもので、個別に見れば賛否も分かれる内容を無理に一本化したものです。これでは、「国民に丁寧に説明する」との安倍首相の言葉に反し、国会で真摯に審議し、国民に説明する姿勢を見ることができません。
文中3段落目に書かれている 
複数の法案を無理に一本化し「真摯に審議し、国民に説明する姿勢を見る事ができない」という請願者の主張は、法案が一本化されるかされないかにかかわらず全く事実に基づかない主張であることが、今回の会期延長の決議で証明されたことになります。 
このような重要な法案を「今国会で必ず成立させる」と米国に約束し、通常国会で強引に採決を迫ろうとすることは、国会軽視、国民軽視にほかなりません。
加えて、5段落目にある安倍首相の米国議会での発言をもとに、「強硬に採決を迫ろうとしている。これは国会軽視であり国民軽視である」いう一文がありますが、 
同じく会期を延長し継続して審議を進めていくという政府の姿勢が明確にされたことで、 
「強硬に採決を迫る」という主張はまったく事実に基づかない指摘であると言わざるを得ません。 

大変理解に苦しむのは、 
22日の会期延長の決議の際に 

民主党は本会議を欠席し 
維新や共産党は会期の延長に反対しております。 

加えて、今夏休みが取れないなどという話で審議ができない状況だと聞いています。 
全く国民の命と自分たちの休暇とどちらが大切なのか、議員の資質を疑うような状況です。 

いったい衆議院の野党は徹底した審議を求めているのか、審議をしたくないのか分からない。 
まったく一貫性のない態度であり、 
いたずらに議会を混乱させているように映ります。 

我が市のそれぞれの党所属の議員の皆さんは 
この請願の求める、慎重審議を津市議会として国会に働けかけよ、という主張に賛同するのであれば、 
むしろ、それぞれの党の国会議員の方々に対して 
延長された本議会に参加し徹底的な審議を行うよう 
要求するべきだと考えます。 

そのような点からすでに 
この請願書は要求する相手を違えており半分意味消失をしております。 

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さて、もう3点請願書の中身に関わる誤りを指摘して、この請願書が採択に値しないという事を主張しておこうと思います。 
また、津市久居は自衛隊第10師団第33普通科連隊の駐屯地です。白山町には航空自衛隊分屯基地があります。この法案が想定する自衛隊の海外活動の拡大や活動内容の変更が専守防衛という国是のもとでの自衛隊のあり方を変更する事になり、津市民として慎重な審議を求める事は当然です。
まず、4段落目 
久居の33普通科連隊の事を引き合いに出し、 
本法案が「専守防衛という国是のもとでの自衛隊のあり方を変更する」ものだと断定していますが 、
これも明らかな嘘であります。 

請願者および紹介議員は、請願書を提出するにあたって、あらかじめ法案をよく読むべきですし、国会での答弁をふまえるべきです。 
衆議院本会議で5月26日に行われた佐藤茂樹委員に対する安倍総理大臣の答弁をより、 

「平和安全法制の整備と専守防衛の関係についてお尋ねがありました。我が国は、戦後一貫して、日本国憲法のもと、専守防衛に徹し、平和国家として歩んできました。今般の平和安全法制の整備に当たっては、昭和四十七年に示された政府見解の基本的な論理は一切変更していません。この基本的な論理は、砂川事件の最高裁判決の考え方と軌をーにするものです。したがって、今般の法整備によって、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略である尊守防衛について、その定義、そして我が国、防衛の基本方針であることに、いささかの変更もありません。平和国家としての日本の歩みは、これからも決して変わることはありません。その歩みをさらに力強いものにする、そのための決断こそが、平和安全法制の整備であります。」 

この答弁にあるとおり、専守防衛という考え方は変わりませんので、請願の示す前提条件に大きな誤りがある事が明白です。 
5月15日安倍内閣が閣議決定し、国会に上程した「国際平和支援法案」「平和安全法整備法案」は、これまでの歴代自民党政府の憲法解釈を変更した去年7月1日の閣議決定に基づくもので、実質的に「憲法改正」に匹敵する内容の法案です。
次に 
本文冒頭1段落目、歴代自民党政府の憲法解釈を変更し、実質的な憲法改正を行うものであるという主張が書かれていますがこれも誤りです。 
集団的であろうが個別的であろうが「自衛権」に変わりなく、我が国が自衛権を有する事は過去の国会の答弁においても明確に確認されており、共産党などが喧伝するような歴史的な大転換をもたらすような解釈変更では一切ないことが明らかです。 

1948年の衆議院外務委員会において 
中曽根康弘議員の質問で、
「この集団的自衛権の問題です。それは国家の基本権として、国家が成立するからには当然認められる権利なんですか。」
との問いに
西村外務省 條約局長は
「もちろんそう考えております」
と答えています。

また
1951年の国会答弁においも「日本は独立国なので、集団的自衛権も個別的自衛権も完全に持つ。」という見解を示しています。

そして先の首相答弁に出てきた、日米安保条約・在日米軍が憲法9条に反し違憲である、と争われた砂川事件の1959年、昭和34年の最高裁判決の中で、田中耕太郎最高裁長官は補足意見として次のように述べています。

「わが国が、自国の 平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」

以上の事からも、かねてより日本は独立国として個別的自衛権及び集団的自衛権を有するという政府の考えは長きにわたって変わっておらず、
実質的な憲法改正という主張は事実無根と言わねばなりません。
この法案に対し国民の間には戦後70年にわたって「戦争をしない国」として戦争によって一人も殺す事なく、また殺される事もなかった平和国家のあり方が大きく変わるのではないかという不安が広がっています。
その次の2段落目
平和国家としてのあり方が大きく変わるのではないかという不安がひろがっている、と書かれているが、これもまったくの杞憂です。

これまでに何度となく「日本は戦争する国にはならない」と首相が発言されているにもかかわらず、
未だに理解を示す姿勢が見られず、表現が改められておりません。
むしろこのような発言を繰り返す事で、意図的に不安を煽っているようにすら見え、仮に確信的であるならば善良な国民を惑わす行為であり、非常に悪質であると言わざるを得ません。

そもそも
戦後70年にわたって一人も殺す事なく、殺される事もなかったという文面がありますが、
これも全く事実に基づいておりません。

前回9月議会での請願に対する反対討論で事例としてあげた
大韓民国軍による竹島の不法占拠は、
日本国憲法が施行された1947年から5年経った1952年に起っており
最終的に44人の日本人が他国の兵隊によって殺害されております。

その2年後に自衛隊が設立され
ここで始めて日本の抑止力が確立され、以降日本の平和が自衛隊によって守られてきました。

すなわち、
自衛権を有するという明確な確認と国外への宣言
それを行使する事のできる力、すなわち自衛隊の存在、
この二つが合わさって
抑止力となり、それ以降日本の平和が守られてきたのであって、断じて憲法9条があったから平和が守られてきたわけではありません。

その後米ソ冷戦下において
日米安保の締結などその時々の国際情勢に合わせて、日本の国民の生命を守るという一点のために様々な対応が取られてきました。

その度に「戦争をする国になる」という主張と共に反対運動が幾度となく繰り返されてきましたが、
一度として日本が戦争を始めた事はなく、
巻き込まれた事もありません。
むしろ、日本がとる事のできる自衛のための行為を、その都度新たな状況に対して明確に示してきたために、抑止の幅が広がり結果として日本は戦火に巻き込まれることなく、平和が守られてきたのです。

今回の平和安全法制は、今まで積み上げられてきた国民の命を守るための多くの決断の延長線上にあるものであり、なんらこれまでの平和を希求する我が国のあり方を大きく変えるものではないと、明言しておきます。

ソヴィエトという国家がなくなり、様々な世界情勢の変化を経ていま
我々が直面している平和を脅かす状況は、

目下着々と軍備の拡大を行い、ベトナムやフィリピン等の領土を武力で占領し、そこで勝手に軍事施設を建設している中華人民共和国と、長距離ミサイルを開発し、日本を始め国際社会から威嚇射撃の中止を求められながらも、依然として好戦的態度を変えない朝鮮民主主義人民共和国であります。 

6月13日のニュースでは中華人民共和国は尖閣諸島へむかう船舶のための大型基地の建設を計画していると報じており、 
また、22日のニュースでは南沙諸島において11機の戦闘機を配備する可能性があると報じています。 

ミサイル防衛や離島防衛へと懸念される課題が大きく変化する昨今、 
日本の国民の命と財産を守るために、必要とされる対応も必然的に異なってきました。 

これらの新たな懸案事項に対処するために現在審議されているのが平和安全法制であり、むしろ早急に可決する事こそが、国民の命と平和を守るために必要な処置であると考えます。
つきましては、広く国民的議論を起こし、世論を尊重して法案の審議を行うためにも、今通常国会に採択を行うのではなく、引き続き徹底的な慎重審議を続けるよう、津市民を代表する津市議会として国に働きかけるよう求めます。
以上の理由から、

この請願の求める国会での採決の反対と慎重審議の要求は、その根幹となる1~5段落の全ての主張が誤りやウソに基づいていることから、到底津市議会として採択できるものではないと考え、明確に反対の意思を表明いたします。 

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中川民英:賛成討論

岡村武:反対討論

豊田光治:賛成討論

加藤美江子:反対討論

採決

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三重県に対して九条の会みえネットワークより提出された請願書

なお、三重県はこの請願書を元に民主党系会派である新政みえとの協議の結果、文面の変更を行った意見書を賛成多数で可決している。

また、継続審議という結果になった「戦争法案反対に関する請願書」というのも同時に
日本国民救援会三重本部内 戦争する国づくりゆるさない!三重県各界連絡会
代表 兼 自由法曹団三重県支部長 石坂俊雄 氏からも提出されている。

伊勢市

紀宝町

紀北町

志摩市

なお、志摩市も県同様手直しをした意見書を採択したようである

松阪市

鈴鹿市
https://www.evernote.com/l/AFkEz43WsnhAnaLMvI5KQTFKcB5UbWVAMdY

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おまけ
九条の会と共産党の関係の深さを示す資料
「日本共産党 第25回大会決議案」

引用
憲法改悪に反対するゆるぎない国民的多数派をつくるためにひきつづき努力するとともに、憲法を平和と暮らしに生かすたたかいを発展させる。前進しつつある「九条の会」に連帯し、その一翼を担って奮闘する。

http://www.jcp.or.jp/jcp/24th_10chuso/25th_ketugian.pdf