高齢者居住安定確保計画について:神戸市




視察の二日目は神戸市

ここでは市営住宅の計画と高齢者住宅安定確保にかんして伺ってきた。

市営住宅に関しては震災以降1万戸以上増築したが、現在これが財政を圧迫しており震災前のレベルに順次戻していく予定だという。

市営住宅だけで特別会計を持っており、平成二十年には83億一般財源より繰り入れを行って運営している。うち国からの色々な補助が有り実質純粋な市の財源としては26億の繰入額になるというが、大きい市だとはいえずいぶんな金額だ。
PFIを使って改築を行った地域もあるという説明だったが、PFIの肝である民間財源の活用はなく公費で建設を行っており、しかもSPCは経営に携わらず住民の引っ越しが完了し次第契約終了と言う事で、あまりPFIらしくないPFIで参考にはならなかった。

次に
高齢者住居安定確保計画
この計画の元幾つか事業を行っているのだが、目を引いたのが平成26年度から行われている「こうべ賃貸住宅あんしん入居制度」。

高齢者への賃貸は
独居老人の死亡(発見の遅れ)
残された家財の処理
支払いの保証
といった家主にとっての心配事項があると言う事で貸し渋られるケースが多いという。

そこで、有償ではあるものの賃貸業者がサービスとして
安否確認
連帯保証
残存家具の片付け
等を行い

市としてはそのようなサービスを行う業者を認定することで
家主は安心し
高齢者はそのようなサービスを行ってくれる仲介業者を選んで契約をするようになる
というシステム。

なかなか面白い取り組みだ。

また、「親・子世帯の近居・同居住み替え事業」という取り組みでは10万円上限で就学前の子供が居る息子娘夫婦の家の近くに引っ越す時の引っ越し費用を1/2助成することで家族が親を見守りやすい環境を作る為の


サービス付き高齢者向け住宅の巡回も高い頻度で行っており、適切運営がされているかどうか質の確保にも力を入れている。

高齢者も安心して転居することができる。

その他
転居だけでなく自宅の改修もふくめた高齢者の居住に関する相談やそれぞれの先の計画に関するアドバイスなどをするための研修会や窓口を設け、先々安心して老後を暮らせるよう総合的にサポートをしている。

高齢者住居安定確保計画
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住み慣れたところで暮らしたいという思いもあるだろうが、より適切なサービスが受けられる地域や環境に移り住むことも選択肢の一つで有り、集約が出来れば市としてもより厚い福祉施策を講じることが出来る。

津市も当然直面している問題だ。

個人的には私の住む東丸之内など旧市街は実は自転車の移動で買い物も病院も自力で通うことが出来る高齢者にとって住みやすい環境だと思っている。

買い物難民とか交通弱者というキャッチコピーで有名な問題の対処としてコミュニティバスを走らせたりしてはいるものの、かゆいところに手が届くようなサービスにはなっていない。

積極的な移住推進も検討すべき方法の一つだと感じた。

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