2015年5月19日火曜日

高齢者居住安定確保計画について:神戸市




視察の二日目は神戸市

ここでは市営住宅の計画と高齢者住宅安定確保にかんして伺ってきた。

市営住宅に関しては震災以降1万戸以上増築したが、現在これが財政を圧迫しており震災前のレベルに順次戻していく予定だという。

市営住宅だけで特別会計を持っており、平成二十年には83億一般財源より繰り入れを行って運営している。うち国からの色々な補助が有り実質純粋な市の財源としては26億の繰入額になるというが、大きい市だとはいえずいぶんな金額だ。
PFIを使って改築を行った地域もあるという説明だったが、PFIの肝である民間財源の活用はなく公費で建設を行っており、しかもSPCは経営に携わらず住民の引っ越しが完了し次第契約終了と言う事で、あまりPFIらしくないPFIで参考にはならなかった。

次に
高齢者住居安定確保計画
この計画の元幾つか事業を行っているのだが、目を引いたのが平成26年度から行われている「こうべ賃貸住宅あんしん入居制度」。

高齢者への賃貸は
独居老人の死亡(発見の遅れ)
残された家財の処理
支払いの保証
といった家主にとっての心配事項があると言う事で貸し渋られるケースが多いという。

そこで、有償ではあるものの賃貸業者がサービスとして
安否確認
連帯保証
残存家具の片付け
等を行い

市としてはそのようなサービスを行う業者を認定することで
家主は安心し
高齢者はそのようなサービスを行ってくれる仲介業者を選んで契約をするようになる
というシステム。

なかなか面白い取り組みだ。

また、「親・子世帯の近居・同居住み替え事業」という取り組みでは10万円上限で就学前の子供が居る息子娘夫婦の家の近くに引っ越す時の引っ越し費用を1/2助成することで家族が親を見守りやすい環境を作る為の


サービス付き高齢者向け住宅の巡回も高い頻度で行っており、適切運営がされているかどうか質の確保にも力を入れている。

高齢者も安心して転居することができる。

その他
転居だけでなく自宅の改修もふくめた高齢者の居住に関する相談やそれぞれの先の計画に関するアドバイスなどをするための研修会や窓口を設け、先々安心して老後を暮らせるよう総合的にサポートをしている。

高齢者住居安定確保計画
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住み慣れたところで暮らしたいという思いもあるだろうが、より適切なサービスが受けられる地域や環境に移り住むことも選択肢の一つで有り、集約が出来れば市としてもより厚い福祉施策を講じることが出来る。

津市も当然直面している問題だ。

個人的には私の住む東丸之内など旧市街は実は自転車の移動で買い物も病院も自力で通うことが出来る高齢者にとって住みやすい環境だと思っている。

買い物難民とか交通弱者というキャッチコピーで有名な問題の対処としてコミュニティバスを走らせたりしてはいるものの、かゆいところに手が届くようなサービスにはなっていない。

積極的な移住推進も検討すべき方法の一つだと感じた。

住みよい街の道づくり事業:廿日市

計画中の道路の一つ
今回の建設水道委員会の委員会視察において訪れた廿日市。

事前の思い込みにくらべて、実際はなかなか興味深い取り組みだった。

道のないところに道を作る。
細い古い道を拡幅する。

いずれも土地の買収や地域の合意が大変でなかなか進まない。

この事業は、
まず地域の合意を地域で行ってくれ
というもの。
合意が取れているようなら、市も頑張って道路設置を早急に進めますよ、という立ち位置。

加えて幅員の4mまでは寄付で、それ以上の場合は4m超過分を時価で買収。
あくまでもそこに住む人だけのための道では公共性がないので、通り抜けができるよう行き止まりは作らない。

土地の所有者は今まで進入路がなく売りようがなかった土地を売ることができるようになるメリットがある。
ということで、いままで合意がつけられなかった地域も、市が合意を取り付けるのと異なり、地元同士で話し合いをする関係で無理な要求もなく、比較的スムーズに道路設置まで進んでいるという。

7年間で1本設置済み、3本進行中、1本は計画測量にはいったということ。

また、市としても農地から宅地に変わることで固定資産収入が上がるメリットがある。

何よりも一番困難な意見合意を地元に任せるという点がこの事業のキモだ。

例:
添付画像にある道路設置計画付近のgoogle maps

2015年5月6日水曜日

児童書:日本とアジアの大東亜戦争

全ての漢字にルビが入っている小学生でも読める本。

先日友人に紹介されて早速購入し読破した。

大東亜戦争の解説書で有りながら
15世紀の大航海時代(大侵略時代:著者)の西洋諸国によるアジアの植民地支配の実態を示す所から始められている。

その後日米間の戦争を経、続いて東南アジア諸国の独立戦争の終焉まで(1976年のベトナム戦争までを含める)を第二次大東亜戦争とし、その関連性を記している。

確かに漢字のルビは子供にとっては読みやすく、しかも「仲介」「講和」「屈辱」といった少々むずかしいと思われる語彙には括弧書きの説明までつけられている。

しかしやはりある程度の歴史の知識を知らないと理解は難しいかもしれない。最低でも5年生か6年生、あるいは中学生ぐらいか。

一方で400年近くの歴史の流れと前後の関連性を、かなり大胆にダイジェストにすることで全体像を正確に掌握する事が出来るようにした、大人にとっても充分読み応えのある書籍である。
歴史は細切れの個別の事象の連続では無く、すべてその事象を引き起こす原因的事件があり、その後何らかの別の事件に確実に影響を及ぼしている。

日本の近代史をもう一度学び直そうと思う人にとっては良い切っ掛けを作ってくれる本だと思う。

娘の小学校に寄贈することも考えている。

http://www.amazon.co.jp/dp/4892959650