地域経済再生戦略・海外進出と地方自治体の役割

昨日24日、東京の広尾にある興和ビルの地下一階で開催されたセミナーに参加してきました。

外務省の国際協力局、開発協力総括課長の徳田修一さんが講義をされました。

表題は「平成26年度の経済協力の実施方針~ODA大綱の見直しも考慮に入れて~」という事で、私の目的はもちろん継続して追いかけているODAを活用した中小企業の海外進出支援事業に関しての情報収集でした。

実は徳田さん、去る2月に県が津で開催した講義の講演者で、あの時出席出来なかったことをが改めて悔やまれてなりません。

済んだことはさておき、政府が海外でのインフラ整備や医療技術の提供などを足がかりに国内の企業が大きく利益を得られるシステムを様々な分野から支援している姿勢を改めて感じることが出来ました。

PFIと言われる民間投資を含めた公共事業の実施の在り方にしても現地の国で法整備が出来ていないことや、国によっては土地の使用の事に関する法律、投融資に関する法律などの未整備といった日本企業側にとってリスクと感じる分野が幾つもあり、有償無償協力や借款と言った資金協力だけではなく政府政府間の支援、整備に向けての援助も行っていく方針のようです。

****************やりっ放しから持続的開発へ**********************
ODAの在り方については慶應義塾大学名誉教授である薬師寺座長を中心に大綱の見直しに関する提言が近々外務省に出されるようです。どうやらやりっ放しのODAという側面が少なからずとも揶揄されてきた点に関しても、「持続的成長」という考え方で方向の見直しがかかるようです。言い換えれば、機材を導入した後のメンテナンスや消耗品の提供も念頭に入れることで設置に係わった企業が継続的に関係を持つことがよりやりやすくなるようです。
また「そもそも何のためにその施設を建てるのか」といった点、言い換えるなら達成すべき目標を追跡していく形の海外援助に変わっていく雰囲気です。

例えばMDGs(国連新世紀開発目標)到達目標の一つである感染症対策として下水処理整備を掲げ処理施設を作ったとしても、一つ施設を作っただけでは当然解決にはいたらず、パイプラインを埋設し都市と接続していくことで初めて汚水処理システムが機能し感染症の原因を減らすことが出来ます。当然一時に予算が取れるものではなく段階的に進めていく必要があり、継続・持続性という観点が重要です。
どうやらそんな継続開発もこれからはやりやすくなるような雰囲気です。


***************地方自治体の関わりと地域経済への関与*******************
実は横浜市の先進事例が持続的開発という点に深く関わっているような印象を受けました。
横浜市は市を上げてフィリピンの第二都市であるメトロ・セブという街の都市計画作成の調査を行い、その計画に基づいて市内の20ほどの企業と共にJICAの提供する中小企業支援事業に応募し、これから事業実施に向かっていくようです。
廃棄物処理や水環境の整備のアクションプランを作り、まさに継続してインフラ整備をしていく。つまり長期的支援の受注を市が担っていくという態勢です。

とてもアグレッシブな発想だと感じています。

市が地元の中小企業を束ねて、市が受けていたインフラ整備のチームをそのままそっくり国外の都市計画に提供する。当然地域の事業者は一社では提案することが出来ない包括的開発計画に参加することが出来る。また発注するであろう現地政府や融資をする側からも、単独では獲得することが出来ない信頼を得ることになる。

これが地域の経済発展に寄与しないはずがない。素晴らしいイニシアチブだと思います。

引き続き横浜市だけではなく、講義の中で先進的な都市として上げられた北九州、東京、神戸の事例も調査していきたいと思います。


なぎさまちーセントレア経由での海外へのアクセスの良地である地の利をもっと活用できる街として地域経済が発展する事を夢見て。

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